免震構造とはどんな工法?戸建てに導入するメリット

2021.08.04


私たちが日常生活を送っていく中では、様々な危険が伴います。
自分の家で暮らしている間でも様々なリスクが存在し、中には人命に関わるような事態もあるのです。
その中で日本ならではとも言える大きなリスクが、「地震」によるものです。
地震そのものを避けることはなかなか難しく、安心して過ごしていくためには建物の構造にこだわる必要があるでしょう。
そこでおすすめされるのが、「免震構造」の採用です。

この記事では、免震構造の概要や他の工法との違いなどについて解説します。
戸建てにも取り入れられる工法ですので、マイホームの購入を検討している方はぜひとも参考にしてみてください。

 免震構造とは

免震構造とは、地震による揺れの影響を建物に直接伝達させないようにすることで、建物の耐震性能を大きく高める構造です。
免震構造を取り入れることで、建築法における建物に求められる耐震性能において大地震後も機能を維持できるAランクやSランクの性能を確保できます。
地震発生時の揺れが抑えられることにより建物内部の揺れも抑えられるため、二次災害の発生確率を大きく下げることにつながります。
タワーマンションや高層ビルなどでも、採用されやすい技術であると言えるでしょう。

地震大国とも呼ばれる日本に安心して住んでいくためには、地震への備えが欠かせません。
過去数十年の間に以下のように多くの大地震を経験したことで、改めて地震と建物に関する考え方が見直されています。

日本における過去数十年の大地震の例
  ・阪神淡路大震災(1995年・兵庫県南部)
  ・東日本大震災(2011年・東北地方太平洋沖)
  ・熊本地震(2016年・熊本県や大分県)

政府だけでなく私たち一般の人々の間でも地震に対する備えを意識する人は確実に増えており、今後も一定の確率で発生しうる地震に備えるため、免振構造への理解は必須です。

免震構造の仕組み

免震構造は、建物と地面の間にアイソレータやダンパーなどの設備を設けることで、地震による水平の揺れが建物にダイレクトに伝わらないような仕組みになっています。

アイソレータとは積層ゴムなどで作られる装置であり、建物を支えて安定させ、揺れが起きた際にもなるべく動きをゆっくりとさせる効果を持ちます。
積層ゴムには鉄板とゴムが交互に入れられており、水平方向の力をしなやかにいなし、垂直方向には変形しないとの特性を持つ素材です。
一方のダンパーは地震が放つ大きなエネルギーを吸収して揺れを減らす効果を持つ装置であり、鉛や鋼棒など様々なタイプが存在します。

建物と地面と切り離されているような状態になるため、水平方向の揺れの衝撃が建物に伝わりづらく、地面の揺れよりも建物の揺れの方が小さくなる点が特徴です。
免震構造によって揺れは大きく低減され、ケースによっては体感で通常の1/3から1/5の揺れになることもあると言われています。
特に高層ビルなどの上階層では、通常の建築構造では揺れが激しくなってしまうことから、近年では積極的に採用されるようになってきています。

免震構造、耐震構造、制震構造の違いと特徴 

免震構造、耐震構造、制震構造の違いと特徴

この章では、免震構造とよく混同されやすい耐震構造・制振構造について、免震構造との
違いに着目して特徴を解説します。

耐震構造とは

建物の持つ強度によって、揺れに耐える構造のことを言います。
現在の国内建築物の大半において採用されている工法であり、「建築物を倒壊させず、その間に住人・利用者が避難できること」を前提として生み出されました。
地震が持つパワーに対して、力や強度で対抗するとイメージすると良いでしょう。

柱や壁の強度を強化したり補強材を入れたりすることで、建物自体の強度を高めます。
免震構造とは違ってかけられるコストによって強化する箇所を決められるため、予算に応じた対策が取れる点はメリットでしょう。

ただし地震の揺れをダイレクトに受けてしまうため建物の揺れは免震構造を含む他の構造と比較しても最も大きく、高い建物は上層階になるほど揺れの幅が大きくなってしまいます。
特に高層マンションなどにおいては、上層階が大きく揺れて家財などが倒れ、二次災害につながってしまう可能性はあるといえるでしょう。
特に巨大地震が発生した場合は、免震の建物と比較すると大きな損害が発生する危険性があります。

制震構造とは

壁の中におもりやダンパーなどの特別な装置を入れ込み、それによって地震のパワーを吸収・制御する工法です。
耐震構造と比べて建物全体の揺れを抑えられる、規模の大きい地震でも柱や壁などの損傷を抑えられるなど、免震構造との共通点が多い工法だと言えるでしょう。

免震構造と同様に上層階に行くほど揺れが抑えられますが、揺れを低減させる効果は免震構造の方が高いと考えられます。
地面の揺れに比べて建物の揺れを抑えることができるわけではなく、家具・家電製品転倒の危険性や食器などの飛散の可能性は依然として高いと認識しておくべきです。
特に巨大地震が発生した際の安心感は、免震構造の方が高いと言わざるを得ないでしょう。

新築戸建てを免震構造にするメリット

ここでは、戸建て住宅を免震構造にするメリットと注意点について整理します。

新築戸建ての免震構造のメリット

戸建てに免震構造を取り入れるメリットとしては、以下が挙げられるでしょう。

戸建てに免震構造を採用するメリット
  ・地震の揺れによって建物を破損させない
  ・家具の転倒を避けられる
  ・日常生活を安心して送れる

まず大きな長所として挙げられるのが、建物へのダメージが少ない点でしょう。
免震構造は建物に伝わる揺れ自体を小さくするため、地震のエネルギーによって建物がダメージを受ける心配が少ないのです。
大切な家が1回の地震で大きなダメージを受けては、大きなショックだと言えます。
また、日本では長い目で見た際に繰り返し地震が発生する可能性が高く、ずっと住んでいくマイホームを守るためには免震構造は効果的でしょう。

さらに、建物内部に伝わる揺れを減らすことにより、家具や家電製品の転倒も避けられます。
震災から守られるべきなのは、人命や建物だけではありません。
その後も変わらぬ生活を続けていくためには、これまで使っていた大切な家具も守ることが重要なのです。
家具の転倒を防ぐことで、自宅内で二次災害に遭ってしまう可能性も下げられます。

そしてなんといっても、安心して日常生活を送れる点は大きなメリットです。
「地震が来ても大丈夫」という気持ちを持てることは、地震大国に生きる私たちにとっては大きな利点でしょう。

新築戸建ての免震構造のデメリット

免震構造のデメリットとしては、2つの構造と比較するとコスト面が大きくなることです。

耐震構造の改装工事の場合、建材の接合箇所の補強などによって、費用をおさえ比較的容易に施工することができます。

一方、免震構造は設計費用や積層ゴムなど、様々な免震部材を使用するためコストが非常に高くなってしまいます。

戸建ての場合、制震構造を取り入れる場合は平均で50万から100万円の費用に対し、免震構造の場合は300万から500万円ほどかかるでしょう。

新築戸建てを免震構造にする際の注意点

ここでは、戸建て住宅を免震構造にする際の注意点について整理します。

免震構造にする際の注意点

免震構造を自宅に採用する際には、以下の点に気を付ける必要があります。

免震構造に関して気を付けるべきこと
  ・コストが掛かる
  ・地震以外の災害への備えは別途必要
  ・地下室の設置は不可

免震構造は、他の2種類の工法と比べるとどうしてもコストが掛かってしまいます。

また、免震構造では地震への備えしかできない点にも注意が必要です。
日本では地震だけでなく台風や大雨なども発生します。
そして地震発生時に気を付けるべき津波への耐性があるわけでもないことは念頭に置くべきでしょう。

さらに、免震工法は建物の下部分へ装置を設けるため、地下室を設置できない点も理解しておかなくてはなりません。

免震構造の採用を検討しましょう

今回は、免震構造について解説してきました。
ご自身のマイホームにとって免震構造が必要か判断する材料となりましたでしょうか?

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